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0808 CAN THO
早朝6時前には、カントーバスステーションに到着したので、水上市場まで行く事にした。
船に乗らずとも、メコン川の市場の様子を見るだけでも良いと思っていたが、そこは地元の客引きの方が一枚上手だった。
grab taxiが、水上市場通りに入って行くと、バイクがずっと並走してきて、私が下りるまで付いてくる。
こっちだ、こっち、とタクシーのドライバーを案内し、ドライバーも狭い市場通りの一方通行では行くしかない。
いつものように観光客を、早朝マーケット船に案内するつもりらしい。
もはや、実際に地元の人たちがメコン川で市場の取引をしているというより、客を船に乗せて雰囲気を味わせる観光クルーズ、カントーの一大観光目玉となっている。
200kvndと高値で観光価格だが(事前に調べたら半額のクルーズもあった)、予約無しで来て、何もしなくても連れて行ってくれ、コレをわざわざ見に来たのなら、選択の余地は無い。
この人達も生活が掛かっているのだし、見せてもらおう。
早朝の涼しいメコン川の風を感じて、舟に乗り一回り。
小舟が売りにくる様子を見るのだが、どの舟も売っているのは、クーラーボックスに入ったペットボトル飲料と、果物1種類だけ。
ローカルフードの朝食を買って食べるという光景は、見られない。
まあ、舟でわざわざ料理を作るのも大変だし、衛生的でもない、陸地の市場通りで食べれば良い訳で、今ではTHE観光クルーズなのだ。
土産物店で一時休憩と下ろされひと回りするが、買いたいものはなく、港に戻る。
とりあえずメコン川の水上市場を見た、観光船で。
という感想だったが、それもまた良しとしよう。
お腹も空いたので、どこかでできれば、カントーらしいローカルな朝食をと思って、市場通りをバス通りに向かい歩く。
路線バスが走っているはずだが、バス停らしきものも見当たらない。
キャリーバッグも重く感じる。
地図上ではバス停があるはずの場所にあった、半分戸外のローカル食堂に入る事にした。
スペアリブを焼いていて美味しそうだ。
焼いている女性にコレを1つ欲しいと言うと、席に座れと案内される。
座っている人たちは、スペアリブ乗っけご飯を食べているので、同じものを、と指差して注文する。
お店の女性に、バスに乗りたい、バス停はどこか、と聞くと、英語に戸惑った様子で、孫なのか客なのか若い男性を指名して、代わりに聞いてくれ、と言う。
男性は、バス停?という感じだったが、何やら誰かと話して、ついて来いという様子。
注文してしまったので食べ終わってから、と説明すると、分かったと頷く。
今思えば、この男性は店の人ではなく、単なる客だったらしく、食べ終わるまで待ってくれるのは親切である。
スペアリブご飯、とても美味しく45kvnd。
バス停があるはずの食堂にいる間、オレンジ色のバスがやって来て停まったのを見て、コレだ、と思ったのだが、親切な若い男性はなぜか、あれは違う、と言う。
彼は、私をカントー市内まで、自分の車で送ってくれようとしていた。
ちょうど彼は、お祖母さんとおじさんをカントーの銀行まで送って行くところだったのだ。
ニュージーランドから戻って来た二人の運転手として、食堂で朝ご飯を食べていたようで、ついでと言う事と、外国人の私にも興味津々で、車で送ることにしたらしい。
まず後部座席のお祖母さんとおじさんにNice to meet youと挨拶して、英語でのやり取りをしたいという強い思いがある彼と、私は拙い英語とGoogle翻訳で、話をしながらドライブがスタートする。
どこから来たのか、何しに行くのか、お馴染みの質問をたくさん受ける。
彼は、たったの20歳だった。
大きな三菱4WDXPANDERを運転し、今日はお祖母さんの運転手以外の仕事はないらしく、お祖母さんを銀行に送ったら観光案内をしてあげると、言った。
もちろん、お祖母さんと一緒に下りると断るが、お祖母さんが銀行の用事が終わるまでの2時間はフリータイムだから、と彼は譲らない
ここは、彼の親切に甘える事にした。
彼の名前は聞いたのだが、ヴェトナムの名前は難しく覚えられなかった。
phoneg、フォン?だったかもしれない。
地元のお金持ちのお坊ちゃんなのだろう。
まだバイクが実用車、四輪車は高級品の国で、20歳でデカい日本車を転がして、外国から帰省した身内の運転手がその日のお仕事で、学生だとも言わなかった。
行きたいところは?と聞かれるも、「Acient House」(映画の撮影に使われたフランス植民地時代の洋風大邸宅)は、遠い、と却下され、ほぼ、彼のオススメスポットを車で回遊した。
寺院のような博物館のような歴史的建物とメコン川、民族楽器のドラムの様な形のドームがある博物館、昼間はSLOWLYだと言うナイトマーケット付近。
中華風の寺院の中には、何とお懐かしい、久しぶりにお会いする「関羽」さまが!
よく横浜中華街の西門付近のお宅前を通りかかっていた私は、「I know him!」思わず笑ってしまい、ガイドの男性に伝えると、「Simirar Culture」だからと言う。
ここはヴェトナム南部だが、それでもヴェトナムは中国の影響を強く受ける東アジア文化圏だという事だ。
ただ、彼の話には、「カンブリア」と発音しているように聞こえた、と「クメール」という言葉が、よく出てきて、「カンボジア」国境が近い事を改めて感じる。
彼の話に依ると、カンブリアとはクメールの事で、このカントーにはカンボジアの寺院もあり、カンボジア人も多い、彼の付き合っている彼女は、カンブリアに家族で住んでいる、と。
その彼女がカンボジア人なのかベトナム人なのかは、よく分からない。
彼女の話が突然出てきたのは、私がホーチミンで子どもに関わる仕事をしていると、話した為だ。
彼女はカンボジアの幼稚園で仕事をしている、クメール語、ベトナム語、英語のマルチリンガルであると言い、なぜかドライブ中に電話がスピーカーphoneで繋がっていて、ガイド中、分からなくなると英語を彼女に教えてもらっていた。
彼は、なぜか中国人はfriendlyではないと言い、私の事は韓国人かと思った、と言う。
今回の旅行で、アジア人観光客は本当に多かったが、日本人には会わなかったので、韓国人だと思われるのは、その通りだと思う。
彼の中国人に対する感情の原因は良く分からないし、聞き流すしかない。
ドラム型ドーム内には、遺跡発掘現場のような写真と高床式住居のレプリカが飾ってある。
高床式住居は日本史の教科書に載っているのにそっくりで、古代の日本人の一派は、南方からやって来たのかもしれないと、繋がりを感じる。
彼の選んだスポットについて行き、そんな趣味がないのに、自分の写る写真をたくさん撮ってもらう。
この写真群を見ると、この日のカントーを思い出すだろう。笑える。
そろそろこのツアーを終了して車を下りたくなったところに、彼のお祖母さんが用事が終わったと、彼を電話で呼び戻してくれたので、ホテルまで送ってもらい、カントーの弾丸観光は終了した。
チェックイン後、部屋でカントー市内の観光スポットを見ていると、ガイドの彼が連れて行ってくれたところが多いと気づき、改めて感謝する。
メコン川の水上市場も見たので、他に行きたいのはAcient Houseだった。
ここは美しい建物のようで、ぜひ行きたかったので、路線バスで行けそうだと調べる。
朝もガッツリだったし、夜はナイトマーケットのローカルフードを食べたいから、お腹は空いたが、昼は軽めに済ませたいと思いながら、バス停を目指し歩いても、なぜか地図上に存在するはずのバス停の見当たらないカントー。
暑さでバテそうになり、Vincome centerのHighlands Coffeeで休憩。
スリムで小さなバインミーとコーヒーを食べながら、grab bikeを呼ぶ。
Acient Houseは、地元の名士の大邸宅である仏植民地風の歴史的な建築物で、一般公開もされている。
行けば、花がテラスにも庭園にも咲き誇り、静かで美しい建物である。
室内にはヴェトナム風の祭壇的な物もあるのだが、それも含めて植民地風のエキゾチックな魅力がある。
欧米人観光客も何組か居て、仏映画「ラ・マン」の撮影セットだったらしいので、それを観に来ているようだった。
拝観料は40kvnd位だった。
しばらくここでのんびりとして、その後、徒歩圏の寺院と村役場跡に行ってみた。
門をくぐった瞬間、ここ来た事あるなー、しかも今朝。。とdejave?
水上市場の食堂で出会った三菱エキスパンダーのガイドの男性が連れてきてくれた、関羽のいる寺院だった。
Acient House、近くだったのか。。
村役場の近くの禅宗のお寺をチラ見して、カントー市内の方向へ歩きながらバス停を探す。
結局、行きにgrab bikeを呼んだVincome centerまで徒歩で戻って来たところへ、オレンジ色のバスがやって来て停まる。
このオレンジ色のバスが、カントー市内の路線バス。
朝、水上市場近くの食堂にもやって来ていたではないか!
三菱エキスパンダーの男性は、どうしても私を送りたかったのか、それともバスに乗った事のない生活者だったのか、今となってはよく分からない。
「遠い」からと却下されたAcient Houseが、ガイドしてくれたスポット近くにあった事にも苦笑いだったが、あのエキスパンダーのガイドさんの親切心は感じたし、ここは一人でゆっくり見た方が楽しい。
そして、三菱エキスパンダーツアーで、私が出したのは、駐車料金200kvndだけだった。
コレも高いか安いかは考えまい、私には出すことが出来たし、ハプニングもまた思い出としては面白く、彼の親切心への寄付でもある。
バスでホテル近くまで戻り、シャワー浴びてナイトマーケットに備える。
ローカルフードの美味しい物を食べて、ビールでも飲もう。
カントーナイトマーケットは、ド派手なネオンがキラキラ輝いている屋台村だった。
半分戸外、プラスチック椅子の屋台には入るには勇気が要るので、一周した後、新しそうな店舗形式のファーストフードのような居酒屋なような、ローカルフードを提供する店に入った。
練物の串揚げ的なものと、せんべいのような形に米をまとめて揚げて海苔を巻いたコム何とか、Tigerビールを注文する。
揚げ物をお腹いっぱい食べ、ほろ酔いで、公園のクルーズ船を眺めてからホテルへ戻る。
早朝にカントーに着いてから、弾丸で我ながら、ある意味ミーハーな観光を楽しんだと思う。
次は、もう少しディープなメコンデルタの旅をしよう、そしてカンボジアまで。
そして、それとは別に、週末気軽に行けそうなHCMCからの日帰りメコン川クルーズも、行ってみよう。
明日は、昼のバスでHCMCに戻る。